
マンションでは、上下階をはじめとした生活騒音に関するトラブルは尽きないです。
特に近年、衛生面やインテリア面でフローリングを採用する割合が増えていることが、さらに事態を悪化させています。
そして、こうした騒音トラブルが発生すると「受忍限度」という考え方がしばしば登場します。
受忍限度とは「ここまでなら我慢できる」というボーダーラインのことで、大多数の人が「うるさい」と感じる限界点を指します。
受忍限度を超えていれば、法的にも「生活騒音」と認められることになる仕組みです。
では、なぜ生活騒音がトラブルになりやすいかといえば、人によって音の感じ方が異なることに起因します。
本人(上階の住人)は気を付けているつもりでも、下階の住人は迷惑していることがあるます。
感受性には個人差があるため、この認識の「差」がトラブルを誘発してしまうのです。
そのため、裁判に発展するケースも少なくないです。
集合住宅には「上階の床は下階の天井」という構造上の特性があります。
つまり、コンクリート1枚挟んで他人同士が共同生活を送っているわけですね。
それだけに、こうした設計構造を理解し、また、お互い様の精神がないと、騒音トラブルを根絶するのは容易ではないです。
もし、「うるさいので気を付けてください」と気軽に言える人間関係が出来上がっていたら、訴訟にまで発展することはなかったはずでしょう。
前段で「受忍限度」を取り上げましたが、本来は裁判で白黒つけるような事態は避けなければならないのです。
生活騒音トラブルを回避するには、ほかの住人への配慮や心配りが欠かせません。
他人の痛みが分かる人間になれれば、おのずと音問題は収束するでしょう。
生活騒音トラブルと並び、ペット飼育問題も根が深いです。
少子高齢化やペットの社会的地位向上により、分譲マンションでも犬や猫を飼いたがる人が増えています。
そのため、特に新築マンションでは「ペット可」を強調しペット飼育を容認する傾向が強まっています。
ペットは飼い主に心の安らぎを与える効果があるだけに、犬猫によって癒やされるのであれば、一概にペット飼育を禁じるべきではないでしょう。
とはいえ、誰もがペットをかわいいとは思っていないのも事実。
ここに、ペットトラブルが根深いとされる理由が存在します。
問題の本質を理解したうえで、解決策としては“実態”を反映したルール作りに尽きるでしょう。
せっかく管理規約などに「他人に危害や迷惑を及ぼす恐れのある動物は禁止する」と書かれていても、表現があいまいなため解釈がバラバラです。
賛成派と反対派がそれぞれ自分に都合よく捉えてしまい、問題を大きくしている側面があります。
つまり、体裁だけを繕った杓子定規な飼育ルールでは、現実にはまったく意味をなさないのです。
そこで、管理組合としてはペット飼育について「全面容認」「一部容認」「完全禁止」のいずれを取るのか、両者の主義・主張を聞いて方向性を確定させることが第一となります。
そして、次に条文化し、使用細則としてまとめるようにしましょう。
その際、以下の点に考慮が必要となります。
ペット飼育に対するスタンスをどう取るのかが一番のキモです。
方向性さえはっきりさせれば問題はまずは解決への道を一歩歩み出すでしょう。
敷地内駐車場のトラブル。
駐車場トラブルは様々なケースがあるが、ここでは駐車場の契約期間に関するトラブルを取り上げます。
マンションでは敷地内に全世帯分の駐車場を用意できないことが多く、そのため敷地外を利用せざるを得ない住人が出てきます。
そして、こうした人たちは仕方なく「キャンセル待ち」のように空きが出るのを待っています。
しかし、いつまでたっても順番は回って来ないという事態も散見されます。
一体、なぜでしょうか。
実は、駐車場使用契約に問題があることが多いです。
というのも「使用契約期間」こそ契約書内に記述があるものの、同時に「契約期間の更新」に関しても自動更新の条項があるからです。
つまり本人(契約者)が自ら契約解除を申し出ない限り、いつまでも敷地内駐車場を使用し続けることが可能なのです。
そのため、中には本人がマイカーを売却後第三者に勝手に敷地内駐車場を貸し出し、使用料を取って収入としている住人までいたりもします。
これではいつまでたっても順番が来るはずもなく、同じマンションの住人でありながら不公平感は否めません。
では、どうすれば解決するのでしょう?
答えは至ってシンプルです。
自動更新させないようにすればいいのです。
「駐車場使用者は定期更新日をもって、駐車場の区画を明け渡さなければならない」と“定期更新化”すればいいのだ。
と同時に、契約期間中に第三者に転貸することも禁止することで一部の住人だけが独占的に専用使用することを防止できます。
心当たりのあるマンションでは、さっそく実践してみるといいでしょう。
なお、駐車場使用契約書の変更は集会決議となり過半数の賛成が必要となります。
強行採決はかえって反発を生むので、きちんと段取りを踏んだ準備を忘れないようにしたいですね。